奈良観光といえば奈良公園の鹿。一見飼っているのかと思いがちですが実は野生の鹿なんです。
国の天然記念物に指定されている「奈良のシカ」は、とても人なつっこく、鹿せんべいというおせんべいを買い、あげることができます。
奈良公園はフェンスでしきられているわけではありません。誰でも自由に歩け、たくさんの鹿と触れ合うことができます。楽しい想い出の一つになりますね。
ただ、鹿せんべいのあげかたをよく知らないために、追いかけられて怖い思いをする人もいます。またおせんべいをあげるのをじらして鹿にかまれる人もいます。
今日は、奈良公園に200回以上通い、何度も鹿せんべいをあげている当サイト管理人が正しい鹿せんべいのあげかたをお伝えしたいと思います。
奈良公園の鹿
奈良公園には「奈良のシカ」が1000年以上前からたくさん生息しています。奈良の鹿愛護会頭数調査によると平成29年では何と1226頭もいます。
奈良では、人間と鹿が共存している地。世界でも奈良だけです。
奈良公園のいたるところに看板があります
鹿と触れあう時に注意することが書かれています。看板の前を通りかかったら読んでみて下さいね。4ケ国語で書かれています。
- 公園内で犬を放さない、捨てない
- ゴミは捨てない
- たたいたり、追いかけたりのいたずらをしない
- 食べ物を与えない
公園内で犬を放さない、捨てない
奈良公園の鹿は私たち人間にはフレンドリーで近寄ってきますが、実は怖がりな動物です。犬のことをとても怖がります。
特に犬がほえるとびっくりして、鹿のグループがいっせいに走り出すこともあります。道路へ飛び出すととても危ないですね。
ゴミは捨てない
おやつの袋、ビニール袋のゴミなど、鹿は何でも口に入れてしまいます。あやまって食べてしまうと病気になります。奈良公園にはほとんどゴミ箱がありません。おうちに持って帰るようにしましょう。
たたいたり、追いかけたりのいたずらをしない
急に強く触ったり、追いかけたりなど鹿が嫌がることはやめましょう。鹿を静かに見守ってあげましょう。
食べ物を与えない
鹿は自然界のものを食べます。シバやどんぐりなどの木の実、葉っぱなどです。
お菓子やパン、野菜などの人間が食べる物は鹿にあげないようにしましょう。おなかをこわして病気の原因となります。
奈良公園内で売られている「鹿せんべい」だけは例外です。鹿に安心なおやつとして作られています。
鹿せんべいが巻かれている紙(愛護会の証紙)は鹿に害がないように作られていますので食べさせても大丈夫です。
鹿せんべいは、米ぬかと小麦粉が原料。香辛料や砂糖はいっさい入っていません。鹿せんべいの売上は鹿愛護会の活動資金となっています。
鹿は国の天然記念物です。文化財保護法違反で罰せられることがあると看板に書かれていますよ。
鹿せんべいをあたえるときの鹿からのお願い
奈良公園のいたるところに鹿に対する注意書きの看板がたっていますが、最近「鹿せんべいをあたえるときの鹿からのお願い」という小さな看板がお目見えしました。
公園内にはパラソルをたてて、鹿せんべいを売っている場所がたくさんあります。
鹿せんべいがおかれている机の前に提示されている場合が多いのですが、読んでいる方が少ないように見受けられます。
鹿せんべいを先に買ってしまうとあっと言う間に鹿に囲まれ、読む余裕がありません。
ぜひとも鹿せんべいを買う前に見てほしいと思います。
鹿と上手く触れ合えていない観光客の方がたくさんおられるので、少しでもこの内容をお伝えしたくて売り場の方にお声をかけて写真を撮らせていただきました。奈良公園へ行く前に読んでいただけると幸いです。
小さい子供さんは大人と一緒におせんべいをあげましょう
小さい子供さんからは目を離さないようにしましょう。
一見おとなしく見える鹿ですが、奈良公園の鹿は「野生の鹿」です。いつどんな行動をおこすかわかりません。
春は出産をしたメスのお母さん鹿が子どもの鹿を守ろうとします。また、秋はオスジカの発情期で、気が荒くなっています。奈良の鹿も、野生の鹿だということを忘れずに注意しましょう。
鹿せんべいをあげるのをじらさないで!
奈良の鹿はおじぎをすることで有名です。その姿が可愛くて何度もおじぎをさせている方もいます。
待たされるといらだって、おせんべいに向かってくることもあります。少しだけおじぎを楽しんだら、あとはすぐにあげるようにしましょう。
鹿はあなたの背後にもいます
前にいる鹿に夢中になっておせんべいをあげていると、自分の後ろへの注意がおろそかになります。
ふいに後ろから、横からと鹿があらわれることも多いです。まわりの鹿にも注意しましょう。
鹿せんべいを持っていなければ手のひらを広げて見せましょう
鹿せんべいをあげ終わったら、掌をみせましょう。大きくパーの手にして鹿に見せます。大きな声で「ナイ!」と言うとさらにいいでしょう。
ほとんどの鹿は、鹿せんべいを持っていないことがわかれば他の人のところへ向かいます。
特に子どもさんには、鹿と遊ぶ前に教えてあげてください。せっかく楽しい奈良公園が怖い思い出が残る場所にしたくはありません。
持ち物に気をつけましょう
カメラやバッグなどが鹿の角にひっかかるなど、予期しないことがおこることもあります。持ち物には注意しましょう。
また、「カバンの中から何かを出す動作」を鹿はしっかり見ています。
鹿はかばんの中に何か美味しいものが入っていると思うと近寄ってきます。やはり掌を見せて持っていないことをアピールしましょう。
鹿は食べ物以外に、紙製品(地図など)、ビニール袋も口に入れてしまいますので気をつけましょう。
鹿せんべいを買うときに、お札で払う場合は特に注意してください。横から急にあらわれた鹿にうばわれることがあります。1万円札を食べられても文句は言えませんよ。
鹿にあげてもいいのは鹿せんべいだけです
奈良公園のいたるところで鹿せんべいを買うことができます。安心してあげることができる上に、売上は鹿愛護会の活動資金に使われるので、ぜひ買って鹿にあげましょう。一束10枚で150円です。
私は時々家の近くでどんぐりを拾って持っていくことがあります。どんぐりはあげても大丈夫ですよ。
ドライバーの皆さんへ
奈良公園周辺には約1200頭の鹿が自由に歩き回っています。いたるとろこに「鹿飛び出し注意」の看板があります。
いきなり道路へ飛び出してくる鹿にそなえて、ゆっくりめのスピードで安全運転をお願いします。
万が一、鹿と交通事故をおこしてしまったら通報しましょう。鹿愛護会のホームページに通報先が掲載されていました。
「一般財団法人 奈良の鹿愛護会」は、24時間体制で鹿の救助・救出をおこなっています。鹿の交通事故や、ケガをした鹿、様子のおかしい鹿を見かけられた際には、下記連絡先にご連絡ください。
奈良の鹿愛護会(8:30~17:15)0742-22-2388
奈良警察署(夜間の交通事故)0742-20-0110
引用元:一般財団法人 奈良の鹿愛護会公式ホームページ「鹿の緊急連絡について」欄
鹿救助隊の車です。
多くの方に鹿との触れ合いの方法について知っていただき、鹿との楽しい時間をすごしていただけますように。